鬼より強い魔除けと学業の神様・鍾馗

長い髭を蓄え、破帽子に角帯の中国の官人の衣装を身につけて剣をもち、何かを睨みつけるようなギロリとした強い眼差しの鍾馗は、中国の民間伝承に伝わる神様です。

もともとは唐代に実在した人物とも言われています。

唐の6代皇帝玄宗が病に伏せっていると夢の中にあらわれ、宮中に跋扈していた子鬼を食らい皇帝がその正体をたずねると、自分は終南県出身で官吏になるため科挙を受験したものの落第し、恥じて宮中で自殺。

しかし、唐の初代皇帝高祖が手厚く葬ってくれたことに恩義を感じて、子孫である玄宗を助けてくれたと伝えるのです。

子鬼を退治して皇帝の病を治したという伝承が一般にも広まり、魔を祓う神様として、17世紀の清代には、端午の節句に鍾馗図を家々で飾るようになるのです。

日本では江戸時代に多くの人々の命を奪った、疱瘡(天然痘)除けや学業成就の御利益があるとされ、端午の節句には、姿が描かれた屏風や掛け軸が飾られ、鬼よりも強い魔除けとして鍾馗の像は屋根の上に飾られているのです。

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